VW アドブルーシステムの不調と修理費用目安は?

エンジン・駆動・排気・冷却の故障と修理費用
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フォルクスワーゲン(Volkswagen、以下VW)のディーゼルエンジン搭載車には、厳しい排出ガス規制をクリアするために「アドブルー(AdBlue)」を使った排ガス浄化システムが搭載されています。


アドブルーは、ディーゼル車特有の有害物質であるNOx(窒素酸化物)を化学反応によって無害な窒素と水に分解する役割を持ち、環境負荷を大幅に減らすことに成功しています。

しかし、このアドブルーシステムも精密な制御が必要なため、不調が起こると警告灯が点灯し、最悪の場合はエンジンがかからなくなるリスクもあります。


この記事では、VW車におけるアドブルーシステム不調の症状、原因、放置リスク、修理費用の目安、そして日常できる予防策についてわかりやすく解説します。

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修理・整備内容費用目安(税込)補足
アドブルー補充約5,000〜10,000円タンク容量により変動
アドブルーポンプ交換約100,000〜180,000円部品代+工賃込み
アドブルーインジェクター交換約50,000〜100,000円ノズル詰まり時対応
NOxセンサー交換約80,000〜150,000円前後2本ある場合も
タンクヒーター交換約100,000〜200,000円冬季使用頻度の高い地域で注意

アドブルーシステムとは?

アドブルーとは、高純度の尿素水(32.5%尿素+67.5%純水)で、SCR(選択式触媒還元)システムにより排気ガス中のNOxを分解・浄化するために使用されます。


VW車では、排気管に設置されたSCR触媒にアドブルーを噴射し、排気中の有害成分を化学反応によって減少させる仕組みになっています。

これにより、ディーゼルエンジンでも非常にクリーンな排ガス性能が実現されています。

アドブルーシステム不調によくある症状

アドブルー関連に不具合が起きると、次のような症状が現れることが多いです。

アドブルー警告灯が点灯する

「AdBlue 補充必要」や「AdBlue システム異常」といったメッセージがメーターパネルに表示されます。

エンジン始動制限カウントダウンが始まる

警告灯が点灯したまま走行を続けると、「あと○○kmでエンジン始動不可」というカウントダウンが表示されます。

排気ガス警告灯(エンジンチェックランプ)が点灯する

アドブルー噴射量の異常などが原因で排気ガスのNOx値が高くなると、エンジンチェックランプが点灯します。

アクセルレスポンスが鈍くなる

SCRシステムが正常に機能していない場合、エンジン出力を制御する安全モードに入ることがあります。

アドブルーシステム不調の主な原因

VW車でアドブルーシステムに不調が発生する原因には、次のようなものがあります。

アドブルーの不足

単純なアドブルー不足でも警告灯が点灯し、システム異常とみなされることがあります。

アドブルーポンプの故障

アドブルーをタンクから噴射ノズルへ送るためのポンプが故障すると、必要な量を噴射できなくなります。

アドブルーインジェクターの詰まり

アドブルーは高温に弱く、乾燥すると結晶化します。インジェクターが詰まると正常に噴射できず、エラーが出ます。

NOxセンサーの故障

排気ガス中のNOx濃度を測定するセンサーが壊れると、誤ったデータがECUに送られ、システム異常と判断されます。

アドブルータンクヒーターの不良

寒冷地ではアドブルーが凍結するため、タンクにはヒーターが付いています。このヒーターが壊れるとシステムにエラーが出ます。

不調を放置するとどうなるか?

アドブルーシステムの不調を放置すると、次のようなリスクが高まります。

  • 走行中にエンジン出力が制限される
  • カウントダウン終了後にエンジン始動ができなくなる
  • 排気ガス規制違反により車検不合格
  • システム一式交換となり高額修理費用が発生する

「警告灯が点いてもまだ走れるから大丈夫」と放置していると、取り返しがつかない状況になることもあるため、注意が必要です。

修理・交換費用の目安

VW車のアドブルーシステム修理・交換にかかる費用目安は次のとおりです。

修理・整備内容費用目安(税込)補足
アドブルー補充約5,000〜10,000円タンク容量により変動
アドブルーポンプ交換約100,000〜180,000円部品代+工賃込み
アドブルーインジェクター交換約50,000〜100,000円ノズル詰まり時対応
NOxセンサー交換約80,000〜150,000円前後2本ある場合も
タンクヒーター交換約100,000〜200,000円冬季使用頻度の高い地域で注意

不調部位によっては複数の部品交換が必要になり、修理費用が高額になるケースもあるため、軽症のうちに対処することが重要です。

日常的にできる点検・予防方法

アドブルーシステムの健康を保つために、普段からできるケアを紹介します。

アドブルー残量を定期的にチェックする

給油のタイミングでアドブルー残量もチェックし、早めに補充しましょう。

定期的に高速道路走行をする

排気温度を上げて、インジェクター詰まりやセンサー異常を防ぐため、たまには長距離・高速走行を取り入れましょう。

安い粗悪なアドブルーは使わない

必ず規格に適合した高品質なアドブルー(ISO22241規格品)を使うことで、トラブルを防げます。

警告灯や異常表示を無視しない

「まだ走れるから」と油断せず、すぐに診断・整備を受けましょう。

違和感を放置せず早めに対応

VWのアドブルーシステムは、環境性能を大幅に高めるための非常に重要な技術です。


普段は気に留めることが少ないかもしれませんが、小さな異変に早く気づき、正しくメンテナンスすることで、高額修理や突然のトラブルを防ぎ、愛車を健康な状態で長く乗り続けることができます。

これからも快適なVWライフを楽しむために、ぜひアドブルーシステムにも意識を向けていきましょう。
あなたの愛車は、きっとその気配りに応えてくれるはずです。

パワートレイン系(エンジン・駆動・排気・冷却)の不具合と修理費用まとめ

それぞれの症状と修理費用をまとめました
エンジンエンジンオイルターボチャージャートランスミッション
クラッチDSGDSGメカトロニクスエキゾーストマニホールド
インジェクターオルタネーター燃料ポンプ排気システム
EGRバルブDPFハルデックスカップリングアドブルーシステム
スロットルボディタイミングベルトスパークプラグO2センサー
NOxセンサー冷却システムウォーターポンプラジエーター
サーモスタットリザーバータンク

Volkswagenの修理・メンテナンスを普通の車屋さんが受けてくれない理由は?

専用の診断機が必要だから

Volkswagenなどの輸入車は、OBD(車載診断機)につないでコンピューターの状態をチェックするんですが、これが専用の診断機(VCDSやODISなど)じゃないとしっかり見られないんです。

国産車用の汎用診断機では対応できない項目も多く、「とりあえずチェックランプ消す」くらいはできても、根本的なトラブルの原因追及が難しい…。

➡ 普通の車屋さんでは診断機の導入コストが高い(数十万~百万円超え!)ので、VWを扱っていないお店も多いです。

特殊な整備ノウハウが必要だから

Volkswagenは設計が国産車とちょっと違います。

  • エンジンの配置や補器類の取り回し
  • DSG(デュアルクラッチトランスミッション)
  • 欧州車特有の足回り設計

これらが、国産車の整備感覚と違う部分が多いんですよね。
たとえば、VW特有のDSGミッションのオイル交換とかは、専用の知識と技術がないと逆に壊してしまうリスクも…。

➡ 慣れてない車屋さんだと、手を出すのが怖いというのが正直なところ。

パーツ供給ルートが限られるから

国産車はディーラー系や部品商が豊富にありますが、VWなどの輸入車はパーツ供給ルートが限られることも。

  • 純正部品はディーラー経由じゃないと手に入りにくい
  • 社外部品も、VW専用パーツの取り扱いがある業者でないと難しい

➡ 普通の車屋さんでは部品が取り寄せできない・納期が読めないことが多いんです。

トラブルが起きやすい箇所が独特

VWは例えば…

  • DSGクラッチの摩耗
  • タイミングチェーンの伸び
  • ウォーターポンプやサーモスタットの故障

こういった欧州車特有のウィークポイントがあります。
これは、国産車専門の工場だと「そもそも経験が少なくてわからない」というパターン。

➡ 慣れているVW専門店なら「この型式だとそろそろこの部品が怪しいな」という予測ができるけど、普通の車屋さんだとそこが難しい。

VWは専門店が安心

画像引用元:VW・Audi専門店ナイルプラス

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