エンジンを止めた後、しばらくして「カン、カン……」という金属音のような音が車の下やボンネットの中から聞こえてきたことはありませんか?
このような音がすると、「どこか壊れたのでは?」「修理が必要なのかな」と不安になるVWオーナーの方も多いと思います。
でもご安心ください。このエンジン停止後のカンカン音は、必ずしも故障とは限りません。
この記事では、その原因をくわしくご紹介し、修理が必要な場合の費用目安や注意点についても分かりやすく解説していきます。
原因 | 修理内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
ヒートシールドのゆるみ | 締め直し・固定 | 5,000〜10,000円 |
ヒートシールドの交換 | 新品部品取り付け | 10,000〜15,000円 |
マフラーのゆるみや亀裂 | 溶接または交換 | 20,000〜50,000円 |
異音調査費用(点検料) | 音の特定・診断のみ | 3,000〜5,000円 |
カンカン音の特徴とは?
まずは、VW車でよく聞かれる「カンカン音」の特徴を確認しましょう。
このような音の多くは、金属パーツの「熱膨張」や「冷却」による自然現象が原因であることが多いです。
主な原因①:マフラーや触媒など排気系パーツの冷却音
VW車に限らず、多くのクルマはエンジンが動いている間に、マフラーや排気系パーツが非常に高温になります。
特に「触媒(キャタライザー)」や「エキゾーストマニホールド」などの部品は、400〜800℃以上に達することもあります。
エンジンを止めた直後、それらの金属が一気に冷えていくことで、熱による収縮が起こり、金属同士がわずかにずれて「カンカン音」が鳴るのです。
これはいわば「エンジンを冷やすための自然なサウンド」といえます。
修理の必要は?
基本的に故障ではないため、修理は不要です。
ただし、以下のような異常があるときは点検が必要です:
- 金属音が異常に大きくなった
- エンジン停止後だけでなく走行中にも音がする
- 排気臭が強い、マフラーの揺れが大きい
主な原因②:エンジン周辺のヒートシールドのゆるみ
VW車では、マフラーやエンジンまわりに「ヒートシールド(遮熱板)」と呼ばれる金属板が取り付けられています。
これは、車の下回りやボディへの熱の影響を抑えるための部品ですが、経年劣化や振動でボルトがゆるんだり、金属板が歪んだりすることがあります。
すると、エンジン停止後の熱収縮とともに 「カンカン」「ビリビリ」とした音 を発生することがあります。
修理費用の目安
- ヒートシールドの再固定:5,000〜10,000円
- 新品部品への交換:10,000〜15,000円
※多くの場合、軽度なゆるみならボルトの締め直しだけで済みます。
主な原因③:ターボ車特有の冷却過程の音
VWの一部モデルにはターボエンジンが搭載されています。
このタイプの車では、エンジンを停止した後もターボユニット内部の冷却が続く場合があり、冷却ファンの作動音や金属収縮音が聞こえることがあります。
特に長距離走行後や高速道路の後など、エンジンに負荷がかかった後は、カンカン音+シューっという音が混じることもあります。
これも基本的には異常ではなく、構造上の動作音です。
点検が必要なケースとは?
音の多くは自然現象とはいえ、次のようなケースでは点検をおすすめします。
これらはヒートシールドの破損や、排気系パーツの割れ・断裂が原因である可能性があります。放置すると重大なトラブルになる恐れがあるため、早めに整備工場で診てもらいましょう。
音を確認するためのセルフチェック方法
自分で簡単にできる確認方法もあります。
- エンジン停止後、車の前側・下側に耳を近づけて音の発生箇所をチェック
- エンジン停止からどのくらいで音が消えるか時間を測る(通常2〜5分以内)
- 音の頻度やリズムをメモにとる(均等なのか、不規則なのか)
- 同じ場所で毎回音がするか、日によって変わるかを記録
この情報を整備士に伝えることで、点検時間を短縮し、正確な判断がしやすくなります。
修理が必要な場合の総費用目安
原因 | 修理内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
ヒートシールドのゆるみ | 締め直し・固定 | 5,000〜10,000円 |
ヒートシールドの交換 | 新品部品取り付け | 10,000〜15,000円 |
マフラーのゆるみや亀裂 | 溶接または交換 | 20,000〜50,000円 |
異音調査費用(点検料) | 音の特定・診断のみ | 3,000〜5,000円 |
※部品代や工賃は車種・年式によって変動するため、正確な金額は事前見積もりをおすすめします。
整備はどこに依頼するのが安心?
VWは輸入車であるため、構造が国産車と少し異なります。
そのため、できるだけVW正規ディーラーかVW専門の整備工場での点検が安心です。
- ディーラー:純正部品で確実な対応、費用はやや高め
- 専門ショップ:輸入車に詳しく、コストも比較的抑えられる
- 一般整備工場:内容によっては対応不可な場合もあり
音が異常かどうかは「変化」に注目!
エンジン停止後の「カンカン音」は、多くの場合は心配のない現象です。
ですが、音が大きくなってきた・他の音と重なる・においがするなどの変化が見られるときは、パーツの劣化やゆるみのサインかもしれません。
VW車を長く快適に乗り続けるためにも、「いつもと違う」と感じたら早めに点検を受けることが大切です。
ぜひ参考にして、安心・安全なVWライフをお過ごしください。
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