VWやアウディで採用される7速乾式DSG。
その心臓部「メカトロニクスユニット」は高額修理の代表格ですが、
ナイルプラスとTOYSのリビルト販売プロジェクトにより、
“純正にも劣らない品質を、より現実的なコストで”実現しました。

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回転だけ上がって車がついてこない原因|加速しない時の代表原因

エンジン・駆動・排気・冷却の故障と修理費用
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アクセルを踏むとエンジン回転だけ「ブーン」と上がるのに、車が前に進まない……。

VW車でよく相談される症状で、原因はエンジン側よりもミッション側(DSG)やターボ・ブースト系にあることが多いのが特徴です。
クラッチの滑り、過給不足、インテークの漏れ、点火系の力不足など、複数の要因が“回転だけ先に上がる”という形で現れます。

放置するとジャダー悪化やターボ損耗、最悪は走行不能に。
この記事では、加速しない時の代表原因と見分け方をわかりやすく解説します。

よくある症状

  • 回転は上がるのに車が加速しない
  • 発進〜中速で特に遅い
  • 坂道で力が出ない
  • 加速時に「シュー」「プシュー」音
  • ギアチェンジが不自然・引っ張られる
  • クリープが弱いことがある
  • 警告灯が点かない場合も多い

原因は大きく4つ(構造別)

  • DSGのクラッチ滑り・学習値ズレ(最も多い)
  • ターボの過給不足(ブースト漏れ)
  • 吸気・点火・燃料系のパワー不足
  • ブレーキ引きずりによる抵抗増大

原因①:DSGクラッチ滑り(回転だけ上がる代表原因)

どんな時に起きる?

  • 回転数は上がるが速度がついてこない
  • ギアがつながるまで間がある
  • 発進が重い・ジャダーが出る

なぜその症状が出る?

DSGは2つのクラッチで変速を行います。
クラッチ摩耗・油圧不良・学習値のズレがあると、

  • 半クラが長くなる
  • トルクが逃げる
  • 回転と速度が一致しない

という状態になり、“回転だけ上がって進まない”という典型症状が出ます。

特に乾式7速(DQ200)で多発。

放置するとどうなる?

  • 完全に前に進まなくなる
  • ジャダー悪化
  • クラッチ交換(高額)必須

原因②:ターボの過給不足(ブースト漏れ)

どんな時に起きる?

  • 加速と同時に「シュー」「プシュー」音
  • 高回転まで引っ張られるのに速度が乗らない
  • 坂道で極端に弱い

なぜその症状が出る?

ターボが正しく圧をかけられないと、
エンジンは回ってもパワーが出ません。

原因例:

  • インテークホースの亀裂
  • インタークーラーの損傷
  • ターボアクチュエーター不良
  • ウエストゲート固着

放置するとどうなる?

  • 過給不足が悪化
  • ターボ損耗
  • 遅れて警告灯(過給圧低下 P0299)

原因③:吸気・点火・燃料系のパワー不足

どんな時に起きる?

  • 回転は上がるが加速しない
  • アイドリングが弱い
  • 低速にムラがある
  • 高回転で頭打ち

なぜその症状が出る?

スロットル・MAF・プラグ・コイル・インジェクターなどが弱ると、
燃焼エネルギーが不足 → 回転は上がるが力が出ない
という状態になります。

放置すると?

  • ミスファイア頻発
  • 触媒ダメージ
  • エンジンチェックランプ点灯

原因④:ブレーキ引きずり(隠れた抵抗)

どんな時に起きる?

  • 加速しないうえに惰性走行も伸びない
  • ホイールが片側だけ熱い
  • 低速でキーキー音

なぜその症状が出る?

キャリパー固着やスライドピンの焼き付きで、
常に軽くブレーキが当たっている状態になると、

  • 回転は上がる
  • 車は進まない

という症状が発生します。

放置するとどうなる?

  • ブレーキ焼き付き
  • ローター変形
  • 走行危険

選択肢は3つ

こんなとき、VWオーナーにできる現実的な選択肢は次の3つです。

① まずは診断・見積もり
輸入車に強い整備士が原因を特定し、必要最小限で提案。

② 高額修理の前に査定
整備履歴・社外パーツまでプラス査定の外車専門。

③ 修理費リスク回避の“定額で新車”
車検・税金・メンテ込の月額で故障ストレスから解放。

ワンポイント

「走れるから大丈夫」と思っても、実際はいつ爆発するか分からない爆弾を抱えている状態です。
早めに動くほど、費用もダメージも抑えられます。

DIYで確認できるポイント

  • 坂道でクリープの強さが弱い(クラッチ不良)
  • 加速時のシュー音(ブースト漏れ)
  • アイドリングの安定性
  • ホイール・ハブの温度(片側だけ熱い→引きずり)
  • エアコンON/OFFで回転の癖が変わるか
  • OBD2でエラーコードチェック

※ミッション・ターボ系はDIY判断が難しく、早期点検が安全。

走行して大丈夫?(緊急度)

  • しばらく走行可能:軽度の吸気汚れ・点火ムラ
  • 症状悪化のリスクあり:ターボ過給不足・クラッチ軽度滑り
  • 走行NG(レッカー推奨):強いクラッチ滑り/全く進まない/異音を伴う場合

修理費用の目安

作業内容費用の目安
DSG学習値リセット5,000〜12,000円
DSGクラッチ交換120,000〜200,000円
インテークホース交換8,000〜18,000円
ターボアクチュエーター調整10,000〜25,000円
プラグ・コイル交換15,000〜35,000円
スロットル清掃5,000〜15,000円
キャリパー固着整備10,000〜25,000円
診断料5,000〜10,000円

※回転だけ上がる症状は高額修理に発展しやすいため、早期点検が最も安上がりです。

👉VW専門店ナイルプラスのメンテナンス・カスタムの費用&作業日数まとめ

同時に点検しておきたい関連部位

  • DSGクラッチ学習値
  • インテークホース
  • ターボアクチュエーター
  • スロットルボディ
  • プラグ・コイル
  • ブレーキキャリパー・スライドピン
  • ドライブシャフト

▼故障・メンテの原因・費用・効果の記事▼

まとめ

「回転だけ上がって車がついてこない」症状は、DSGのクラッチ滑り、ターボの過給不足、吸気・点火・燃料系のパワー不足、ブレーキ引きずりなどが主な原因です。
放置するとクラッチ交換やターボ故障につながりやすい危険な状態。軽い違和感の段階で点検すれば費用を抑えられます。

症状が似ていても原因は車両ごとに異なります。
同じような異音・不調でも、ターボ・ベルト・センサーなど原因はさまざまです。
不安な場合は無理せず整備工場で点検してもらうのが安心です。

車種別の不具合詳細

不具合の“出方”は似ていても、「どのモデルでどんなトラブルが多いか」は車種ごとに少しずつ違います。
車種別の傾向や、他のオーナーに多い故障事例は、以下のページでまとめています。

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