フォルクスワーゲン(Volkswagen、以下VW)の車両は、静粛性の高い走りと正確な操縦安定性に定評があります。
その滑らかな走行性能を支えている重要なパーツのひとつが「ホイールベアリング」です。
ホイールベアリングは、車輪(ホイール)をなめらかに回転させるために必要不可欠な部品です。
しかし、長期間使用していると劣化や摩耗が進み、異音や走行性能の低下を引き起こす原因になります。
この記事では、VW車におけるホイールベアリング不調の症状、原因、放置リスク、修理費用の目安、そして日常的にできる予防策についてわかりやすく解説します。
\足回り系の不具合と修理費用個別記事/
修理・整備内容 | 費用目安(税込) | 補足 |
---|---|---|
ホイールベアリング交換(片側) | 約40,000〜70,000円 | 部品代+工賃込み |
ハブアセンブリー交換(ベアリング一体型) | 約60,000〜100,000円 | モデルによってはハブごと交換 |
ホイールベアリングとは?
ホイールベアリングは、ハブと呼ばれる車輪取付部分に内蔵されたベアリング(軸受け)で、車輪の回転をスムーズにする役割を担っています。
ボールベアリングまたはローラーベアリングが使われ、摩擦を減らして静かで効率的な走行を可能にしています。
VW車では、耐久性に優れた密封型のハブベアリングが採用されていることが多く、通常の使用では10万km以上持つこともありますが、過酷な環境や負荷によって早期に劣化することもあります。
ホイールベアリング不調によくある症状
ホイールベアリングが劣化すると、次のような症状が現れます。
走行中に「ゴー」「ゴロゴロ」といった異音がする
速度に応じて大きくなる唸り音やうなり音が、特にベアリング不調の典型的なサインです。
タイヤ周辺から振動を感じる
ベアリングのガタつきにより、車体やハンドルに振動が伝わることがあります。
ハンドル操作が不安定になる
コーナリング時にふらついたり、ハンドリングが不安定になることがあります。
タイヤの偏摩耗が発生する
ベアリングにガタがあると、タイヤの接地圧が不均一になり、偏った摩耗が進みます。
燃費が悪化する
摩擦が増えることで、無駄なエネルギー消費が増え、燃費が悪くなることもあります。
ホイールベアリング不調の主な原因
VW車でホイールベアリングに不調が発生する原因には、次のようなものがあります。
経年劣化
金属疲労やグリス劣化により、内部のボールやレース(内外輪)が摩耗してきます。
衝撃によるダメージ
縁石に乗り上げた、段差を強く乗り越えた、事故に遭ったなどでベアリングに過大な衝撃が加わると、早期に故障します。
過酷な環境での使用
水や泥、塩カル(融雪剤)などがベアリング内部に浸入すると、錆びやグリス劣化を引き起こします。
不適切なホイール取り付け
ホイール交換時にボルトの締め付けトルクが適正でないと、ベアリングに負担がかかり劣化を早めます。
不調を放置するとどうなるか?

ホイールベアリング不調を放置すると、次のようなリスクが高まります。
小さな異音や違和感の段階で対応すれば、費用もリスクも最小限に抑えられます。
修理・交換費用の目安
VW車のホイールベアリング修理・交換にかかる費用目安は次のとおりです。
修理・整備内容 | 費用目安(税込) | 補足 |
---|---|---|
ホイールベアリング交換(片側) | 約40,000〜70,000円 | 部品代+工賃込み |
ハブアセンブリー交換(ベアリング一体型) | 約60,000〜100,000円 | モデルによってはハブごと交換 |
※車種や年式、2WD/4WDの違いによって作業工数や部品価格に差が出ます。
日常的にできる点検・予防方法
ホイールベアリングを長持ちさせるために、普段からできるケアを紹介します。
異音や振動に敏感になる
走行中の「ゴー音」や「ゴロゴロ音」に気づいたら、すぐに点検を受けましょう。
定期的な足回り点検を受ける
タイヤ交換や車検時に、ハブ周りのガタつきや異音チェックをしてもらうのがおすすめです。
荒れた道や水たまりを避ける
悪路や深い水たまりを走行すると、ベアリングに余計な負担がかかります。
ホイール取付時は適正トルクで締める
DIYでタイヤ交換する場合も、必ず規定トルクで締め付けましょう。
違和感を放置せず早めに対応
VW車の静かで安定した走りは、ホイールベアリングの確かな働きによって支えられています。
普段は見えない小さな部品ですが、異音や違和感に早く気づき、適切なメンテナンスを行うことで、愛車のパフォーマンスと安全性を長く維持することができます。
これからも快適で安心なVWライフを楽しむために、ぜひホイールベアリングにも気を配っていきましょう。
あなたのVWは、きっとその心配りに応えてくれるはずです。
シャシー・足回り・ブレーキ系の不具合と修理費用まとめ
都道府県別 VWの修理・メンテナンスができる整備工場まとめ
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Volkswagenの修理・メンテナンスを普通の車屋さんが受けてくれない理由は?
専用の診断機が必要だから

Volkswagenなどの輸入車は、OBD(車載診断機)につないでコンピューターの状態をチェックするんですが、これが専用の診断機(VCDSやODISなど)じゃないとしっかり見られないんです。
国産車用の汎用診断機では対応できない項目も多く、「とりあえずチェックランプ消す」くらいはできても、根本的なトラブルの原因追及が難しい…。
➡ 普通の車屋さんでは診断機の導入コストが高い(数十万~百万円超え!)ので、VWを扱っていないお店も多いです。
特殊な整備ノウハウが必要だから

Volkswagenは設計が国産車とちょっと違います。
- エンジンの配置や補器類の取り回し
- DSG(デュアルクラッチトランスミッション)
- 欧州車特有の足回り設計
これらが、国産車の整備感覚と違う部分が多いんですよね。
たとえば、VW特有のDSGミッションのオイル交換とかは、専用の知識と技術がないと逆に壊してしまうリスクも…。
➡ 慣れてない車屋さんだと、手を出すのが怖いというのが正直なところ。
パーツ供給ルートが限られるから

国産車はディーラー系や部品商が豊富にありますが、VWなどの輸入車はパーツ供給ルートが限られることも。
- 純正部品はディーラー経由じゃないと手に入りにくい
- 社外部品も、VW専用パーツの取り扱いがある業者でないと難しい
➡ 普通の車屋さんでは部品が取り寄せできない・納期が読めないことが多いんです。
トラブルが起きやすい箇所が独特

VWは例えば…
こういった欧州車特有のウィークポイントがあります。
これは、国産車専門の工場だと「そもそも経験が少なくてわからない」というパターン。
➡ 慣れているVW専門店なら「この型式だとそろそろこの部品が怪しいな」という予測ができるけど、普通の車屋さんだとそこが難しい。
VWは専門店が安心

画像引用元:VW・Audi専門店ナイルプラス
VWオーナーさんはVolkswagen専門店や輸入車に強いショップを選ぶのが安心。
整備士さんもVWに慣れているので、トラブルの早期発見や的確な修理が期待できますよ!
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