7速乾式DSG(DQ200)のオイル交換は必要?交換時期・量・手順・注意点を解説

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「7速DSGはオイル交換不要」と聞いたことはありませんか?
確かに、ディーラーでは“メンテナンスフリー”と案内されることもあります。
しかし、実際の整備現場では、油圧ユニットやギア部のオイル劣化によるトラブルが少なくありません。

7速乾式DSG(DQ200)は、Golf 7・Polo・Passat 1.4TSIなど幅広い車種に採用されており、
クラッチ部分は乾式構造でオイルを使わない一方、ギア機構・メカトロ部分には専用オイルが循環しています。


このオイルを交換せずに放置すると、変速ショックやギア鳴き、メカトロニクスの誤作動につながることもあります。

この記事では、7速乾式DSGの構造と、オイル交換が「なぜ必要なのか」を解説。
交換時期・オイル量・作業手順の概要・DIY時の注意点まで、網羅的にまとめました。

参考情報:ナイルメカチャンネル「7速乾式DSGオイル交換」動画

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【基本】7速乾式DSG(DQ200)とは?構造と特徴をわかりやすく解説

フォルクスワーゲンが開発したデュアルクラッチトランスミッション「DSG」は、
高効率かつスポーティな変速を実現するVWの代名詞ともいえる技術です。


その中でも7速乾式DSG(型式:DQ200)は、Golf 7・Polo・Passat 1.4TSIなど、
比較的コンパクトなエンジンを搭載した車種に広く採用されています。

「乾式」という名前のとおり、このタイプではクラッチがオイルに浸かっていません
つまり、湿式タイプ(DQ250やDQ381)のようにクラッチをオイルで冷やす構造ではなく、
ギア部分のみをオイルで潤滑しています。


そのため、軽量で効率が良く、燃費性能にも優れる一方で、高トルク車には向かないという特性を持っています。

内部では、ギア部とメカトロニクス(油圧制御ユニット)が独立構造になっており、
メカトロ側では電動ポンプとアキュムレーターによって油圧を発生させています。


この仕組みにより、クラッチの切り替えを極めて短時間で行うことができ、
AT車とは思えないダイレクト感ある走りを実現しています。

下の比較表を見ると、6速湿式(DQ250)との違いがわかりやすいでしょう。

項目乾式7速(DQ200)湿式6速(DQ250)
トルク対応~250Nm~350Nm以上
冷却方式空冷・乾式クラッチオイル冷却(湿式)
オイル種類ギア潤滑油のみトランスミッション油+クラッチ油共用
交換目安約4〜5万km(推奨)約6万km(公式推奨)

乾式DSGは「軽く・速く・省燃費」を実現する反面、オイルが少ないために熱や摩耗粉の影響を受けやすく、
定期的なオイル交換が寿命を左右する重要ポイントとなります。

「オイル交換不要」は誤解?ディーラー説明の真実を解く

「7速DSGはオイル交換不要です」と案内された経験がある方も多いかもしれません。
確かに、ディーラーの整備マニュアル上では“メンテナンスフリー”と表記されています。
これは誤りではなく、保証期間内に限って想定されている整備設計によるものです。

「メンテナンスフリー」設計の背景

7速乾式DSG(DQ200)は、湿式タイプと違ってクラッチ部分にオイルを使いません。
そのため、「クラッチオイル交換の必要がない=全体として交換不要」と誤解されがちです。


しかし実際には、ギア機構とメカトロニクス部には専用オイルが循環しています。
このオイルは電動ポンプやアキュムレーターを動かすための“作動油”でもあり、
潤滑・冷却・圧力伝達という重要な役割を担っています。

つまり「メンテナンスフリー」というのは、
「クラッチ部分が乾式である」という設計上の話であり、
ギア側の潤滑油まで交換不要という意味ではありません。

実際の整備現場ではどうか?

実務の現場では、5万kmを超えたあたりからオイルの劣化による変速ショックやギア鳴き、
さらにはメカトロニクスの誤作動などが報告されています。

劣化したオイルには金属摩耗粉や熱劣化成分が混ざり、
ソレノイドや油路にスラッジが付着。
これが油圧の不安定さや誤作動の原因となります。

欧州ではすでに、5〜6万kmごとの定期交換が推奨されています。
気候や走行環境の違いを考慮しても、日本でも同程度での交換が理想的です。

「交換不要=永久無交換」ではない

メーカーが“交換不要”と表現する背景には、
保証期間(おおむね5年または10万km)までの耐用を想定しているという前提があります。
つまり、「新車から数年は持つ」=「一生交換不要」ではないということです。

保証期間を超えても長く乗り続けたいなら、
オイル交換を行うことでメカトロやギア部の寿命を確実に延ばすことができます。

「交換不要」という言葉の裏には、“保証期間内では問題が出にくい”という前提が隠れています。
長く快調に乗りたいなら、定期的な交換がDSGを守る最良のメンテナンスです。

【重要】7速乾式DSGオイル交換の必要性と、交換を怠ったときのリスク

7速乾式DSG(DQ200)は、「乾式」とはいえオイルが不要なわけではありません。
ギアやメカトロニクス部分では、潤滑や油圧制御を行うための専用オイルが循環しています。


このオイルを長期間交換せずに放置すると、じわじわと性能が低下し、やがて故障へと進行します。

軽度:変速ショックと異音の発生

最初の兆候は、変速時の“コツッ”という軽いショックや、
ギアの入りが一瞬遅れるような感覚として現れます。


これは、オイルの粘度低下により油圧の反応が遅れている状態です。
また、ギア歯面の潤滑が不十分になることで、
「キュルキュル」「シャー」といった金属音が出始めることもあります。

この段階なら、オイルを交換するだけで改善する可能性が高いです。

中度:油圧制御の不安定と誤作動

オイルがさらに劣化すると、内部に金属粉やスラッジが蓄積します。
これがソレノイドバルブやアキュムレーターの通路を詰まらせる原因になります。


油圧が不安定になると、変速タイミングが乱れ、
「Dレンジでもギアが入らない」「バック時に一瞬遅れる」などの症状が発生。
この状態を放置すると、メカトロニクスユニットそのものにダメージが及びます。

重度:メカトロニクス故障・走行不能

オイルが真っ黒になり、金属粉が多く混ざった状態まで進行すると、
ソレノイドが正しく作動しなくなり、最悪の場合はギアが入らなくなることもあります。


メーターにスパナマークや「トランスミッション異常」警告が点灯し、
シフトを操作してもNレンジのまま動かない…というケースも少なくありません。

この段階ではオイル交換では回復せず、メカトロ交換(20〜40万円)が必要になる場合があります。

予防こそ最大の節約

乾式DSGはオイル容量が少ないため、劣化の進行も早い傾向があります。


4〜5万kmで交換していれば数万円で済むメンテナンスも、
10万km無交換だと高額修理へ直結するリスクが高まります。

「走れるうちは大丈夫」と思いがちですが、
DSGの不調は気づいたときには手遅れということも少なくありません。
小まめな交換が、快適な変速と長い寿命を守る最良の方法です。

だから選択肢は3つ

こんなとき、VWオーナーにできる現実的な選択肢は次の3つです。

① まずは診断・見積もり
輸入車に強い整備士が原因を特定し、必要最小限で提案。

② 高額修理の前に査定
整備履歴・社外パーツまでプラス査定の外車専門。

③ 修理費リスク回避の“定額で新車”
車検・税金・メンテ込の月額で故障ストレスから解放。

ワンポイント

「走れるから大丈夫」と思っても、実際はいつ爆発するか分からない爆弾を抱えている状態です。
早めに動くほど、費用もダメージも抑えられます。

交換時期とオイル量の目安

項目内容
推奨交換距離約40,000〜50,000km
使用オイル量約1.7〜1.8L
抜ける量約1.2〜1.3L(残油あり)
使用オイル規格VW G 052 512 A2 または同等品
ドレンパッキンなし(シール一体構造)

7速乾式DSG(DQ200)は、湿式タイプと比べて使用オイルの量が少なく、
しかも高温・高圧の中で働くため、想像以上に早く劣化していきます。
VWの整備書では交換指定がないものの、現場では約4〜5万kmごとの交換が定番になっています。

推奨交換距離と理由

DQ200のオイルはギアの潤滑とメカトロニクス作動を兼ねています。
長く使用すると、ギア摩耗粉やスラッジが混ざり、
オイルの粘度・清浄性能が低下していきます。


特にストップ&ゴーの多い街乗り環境では、
3〜4万kmを過ぎたあたりで「変速ショック」や「ギア鳴き」が現れ始めるケースが少なくありません。

定期的に交換しておくと、これらの不調を予防し、
メカトロニクスの寿命を10万km以上保つことが十分に可能です。

オイル量と交換時のポイント

項目内容
推奨交換距離約40,000〜50,000km
使用オイル量約1.7〜1.8L
抜ける量(通常交換)約1.2〜1.3L
使用オイル規格VW G 052 512 A2 または同等品
ドレンパッキンなし(シール一体構造)

DQ200では、完全にオイルを抜くことができず、
約0.5L前後の残油が内部に残る構造です。


そのため、交換時は“抜き替え”を繰り返して劣化を抑えるのが現実的です。
この方法でも、2〜3回実施すれば内部オイルの大部分を入れ替えられます。

交換サインを見逃さないために

以下のような症状が出たら、オイル劣化が進行しているサインです。

  • シフトチェンジ時に軽い“ガクッ”としたショックが出る
  • 停車寸前にギアが抜けるような感覚がある
  • バックギア時に「キュルッ」と金属音がする

これらはすべて油圧制御や潤滑不足に関係しており、
オイル交換で改善することが多い症状です。

乾式DSGは“メンテ不要”と言われがちですが、
少量のオイルに多くの役割を背負わせているぶん、
早めの交換が何よりの予防整備になります。

完全交換には分解が必要なため、定期的に「抜き替え」で劣化を抑えるのが現実的。

使用オイルの種類と選び方|純正・社外の違いとおすすめ銘柄

7速乾式DSG(DQ200)に使用されるオイルは、一般的なATF(オートマオイル)とはまったく異なる専用設計です。
オイルの選び方を間違えると、変速ショックや油圧不良を引き起こす可能性もあります。
ここでは、推奨されるオイル規格と代表的なブランドを整理して紹介します。

基本は「VW G 052 512 A2」規格

VW純正指定のオイルは、「G 052 512 A2」 という規格です。
このオイルは、乾式DSGのギア潤滑とメカトロ作動油を兼ねており、
高温下でも油膜を維持しつつ、金属摩耗粉を取り込みにくい特性を持っています。


純正オイルを使うのが最も安全ですが、同等規格の社外品でも問題ありません。
大切なのは、「VW TL 52182」または「G052512A2適合」の記載があることです。

代表的なオイルブランド

ブランド規格特徴
VW純正 DSGオイルG 052 512 A2最も安心。温度安定性・静粛性に優れる
FUCHS TITAN DSG DCTF同等規格純正供給メーカーOEM。コスパ良好
MOTUL Multi DCTF互換対応高温走行に強く、スポーツ走行にも向く
LIQUI MOLY DSG Oil互換対応欧州車全般で実績多数。メカトロ保護性能が高い

どのブランドを選んでも問題はありませんが、
添加剤入りや粘度の異なる「汎用DCTF」は避けましょう。
粘度や摩擦係数の違いがクラッチ制御に影響することがあります。

純正か社外か?選び方の考え方

  • 純正オイル(ディーラー推奨)
     → 長期的な安定性と保証面の安心感を重視する方におすすめ。
  • 社外オイル(FUCHSやMOTULなど)
     → コスパやフィーリング改善を狙う方におすすめ。

どちらを選ぶ場合でも、異なるメーカーのオイルを混ぜないことが大切です。
粘度や添加剤成分の違いによって、油圧特性が変化するためです。

ワンポイントアドバイス

乾式DSGのオイルは量が少ないため、定期交換で内部を清潔に保つことがもっとも効果的です。


たとえ純正オイルであっても、5万kmを超えて使い続けると性能は確実に低下します。

“良いオイルを長く使う”よりも、“適正なオイルを早めに替える”ほうが確実に車に優しい選択です。

交換手順の概要:仕組みを理解するための作業フロー解説

7速乾式DSGオイル交換

7速乾式DSG(DQ200)のオイル交換は、
湿式タイプ(DQ250・DQ381)のように温度管理を必要としない点が特徴です。


クラッチがオイルに浸かっていないため、油温ではなく量と締付精度が最も重要になります。
ここでは、整備現場で行われる実際の手順を、理解しやすい流れで紹介します。

① 車両を水平にリフトアップ

オイルはわずか1.7L前後と少ないため、
車体が傾いていると油量測定が狂ってしまいます。
そのため、リフトで完全水平に上げるのが第一条件。
地面でのジャッキアップ作業は、傾きや安全性の面からおすすめできません。

② ドレンボルトを外してオイル排出

トランスミッション下部のドレンボルトを外し、古いオイルを抜き取ります。
抜ける量はおよそ1.2〜1.3L。
ドレンから出るオイルの色や金属粉の量を確認しておくと、
内部の摩耗状態を把握する手がかりになります。

この際、ドレンワッシャーは不要です(シール一体型構造)。
締付けの再利用は避け、45N·m前後のトルクで確実に締め直します。

③ 新油の充填(上部充填口から)

オイルを入れる際は、エンジンルーム上部にある黒キャップの奥の充填プラグを取り外します。
そこから専用ホースまたはロングノズルを使って、約1.7〜1.8Lの新油を注入します。
充填口が非常に狭いため、じょうごやチューブを使うとスムーズです。
オイル量は「抜けた量+0.5L」を目安に調整します。

④ 漏れ確認と締付チェック

注入後は充填口とドレン部を清掃し、漏れや滲みがないかを確認します。
アルミケースは柔らかいため、オーバートルクで締めるとネジ山破損の恐れがあります。
慣れないうちはトルクレンチを必ず使用しましょう。

⑤ 試運転と最終確認

交換後はエンジンをかけ、ギアをP→R→N→Dと順に切り替えてオイルを循環させます。
異音や変速ショックがないかをチェックし、
数kmの試運転後に再度下回りを確認すれば完了です。

この作業は一見シンプルですが、
少量オイルゆえの精密さが求められる工程でもあります。
“入れすぎない・締めすぎない”を意識することが、乾式DSGを守る最大のコツです。

DIY交換時の注意点:失敗しやすいポイントと安全対策

7速乾式DSG(DQ200)のオイル交換は、構造上それほど複雑ではないように見えますが、
実際には作業精度と安全性が非常に重要です。


「オイルが少ない=簡単」と思って挑戦すると、思わぬトラブルにつながることもあります。
ここでは、DIYで作業を検討する際の注意点をまとめました。

ジャッキ作業は危険。必ず水平リフトで

DQ200はオイル量が少ないため、車体がわずかに傾くだけでもレベルが狂います。
ジャッキアップでは水平を保ちにくく、ドレン位置も低いため作業が不安定です。
整備工場の2柱リフトやパンタグラフ式リフトを使うのが理想です。
DIYで行う場合は、必ず堅牢なジャッキスタンドを使用し、
左右の高さをしっかり揃えることを忘れずに。

充填口が狭く、専用アタッチメントが必須

エンジンルーム上部の黒キャップ奥にある充填プラグは、開口部が非常に狭く設計されています。
一般的なジョウゴでは差し込みにくいため、
細口ホース付きの注入アタッチメント(VW専用または代替品)を使用します。
ホースを抜く際にオイルが跳ねやすいため、
ラップやタオルで周囲を保護しておくと安心です。

トルク管理を怠らない

アルミ製トランスミッションケースは非常に柔らかく、
締めすぎるとすぐにネジ山が潰れてしまうことがあります。
ドレンは約45N·m前後、充填プラグは25N·m前後を目安に。
感覚ではなく、必ずトルクレンチを使用して締め付けましょう。

オイル量の入れすぎに注意

オイルを入れすぎると、走行中に泡立ちや圧損が発生し、
ギア鳴きや油圧エラーの原因になることがあります。
「抜けた量+0.5L程度」を上限にし、入れすぎた場合はドレンから微調整しましょう。

安全装備と清掃を忘れずに

作業中は必ず耐油手袋・保護メガネを着用し、
周囲をブレーキクリーナーで脱脂清掃してから作業を始めます。
特にメカトロ周辺は電子部品が多く、オイルがかかると誤作動を起こす場合があります。

乾式DSGのオイル交換は、手順を守れば難しくありません。
しかし、一つの油滴・一つのトルク管理ミスがトラブルの原因にもなります。
自信がない場合は、VW専門工場での施工を選ぶのが確実です。

交換後の効果と体感変化:実際にどう変わる?

7速乾式DSG(DQ200)は、少量のオイルでギアとメカトロニクスを同時に動かす精密機構です。
そのため、オイル交換の前後で変速フィールや静粛性がはっきり変化します。


ここでは、整備現場でも多く報告されている主な改善ポイントを紹介します。

変速ショックの軽減

劣化したオイルは粘度が下がり、油圧が不安定になります。
その結果、ギアのつながりが遅れたり、変速時に「コツン」としたショックが出ることがあります。
交換後は油圧が安定し、クラッチの切り替えがスムーズに。
とくに2速→3速、3速→4速の変速が自然になり、発進から加速までの流れが軽く感じられるようになります。

ギア鳴きや異音の減少

長期間オイルを交換していないと、摩耗粉や汚れがギア歯面に付着し、
金属音や「キュルキュル」といった鳴きを発生させることがあります。
新油に入れ替えることで潤滑が復活し、金属同士の摩擦音が減少
バックギアや低速域での異音が静かになる効果が実感できます。

メカトロニクス動作の安定化

オイルはメカトロのソレノイドやアキュムレーターの作動油としても機能しています。
新しいオイルは粘度が安定しており、油圧変化が素直に伝わるため、
ギア選択や変速タイミングが安定します。


これにより、走行中の「ギア探し」や「軽いもたつき」が減り、
ストップ&ゴーの多い市街地でも快適に走れるようになります。

シフトフィールの改善と燃費への好影響

クラッチの接続がスムーズになることで、
アクセルを踏み込んだときの反応が自然になり、
加速のムラが減って運転がしやすくなるのも大きなポイントです。
無駄な空転やショックが減るため、結果的に燃費の安定にもつながります。

オイル交換は、単なる整備ではなく「DSGのリフレッシュ」。
交換後の変速フィールは、多くのオーナーが「まるで新車のよう」と口にするほど。
DSGの精密な制御を本来の状態に戻す、最も効果的なメンテナンスです。

交換費用の目安とコスパ評価

7速乾式DSG(DQ200)のオイル交換費用は、湿式タイプと比べると作業工程が少ないぶん安価です。


ただし、使用オイルが特殊規格であり、メカトロ周辺の脱着精度が求められるため、
「量が少ない=簡単」というわけではありません。


以下は、実際の整備工場での価格帯をもとにした概算です。

オイル交換費用の相場(乾式7速DQ200)

作業内容費用(税込)内容・備考
DSGオイル交換(乾式7速)約15,000〜25,000円オイル・工賃込み(約1.7L交換)
点検・診断費約3,000〜5,000円メカトロ動作チェック・リーク確認
ドレンボルト再使用/交換約1,000〜2,000円シール一体型のため要確認
合計目安約18,000〜30,000円前後一般的な整備工場またはVW専門店基準

湿式DSG(DQ381/DQ250)との比較

型式構造交換量費用目安(税込)備考
DQ200(乾式7速)ギア潤滑油のみ約1.7L約2万円前後簡易交換可・クラッチ非油浸
DQ250(湿式6速)クラッチ+ギア共用約6.5L約4〜5万円フィルター交換あり
DQ381(湿式7速)高トルク対応約6.5L約4〜5万円油温管理が必要

乾式DSGはオイル容量が少なく、交換サイクルが短いため、
「1回あたりの費用は安いが、長期ではトータルコストが同等」になるケースもあります。

費用を抑えるコツ

  • 信頼できるVW専門店でまとめて施工
     → 定期点検やエンジンオイル交換と同時作業にすれば工賃が節約できます。
  • 純正OEMオイルを使用する
     → FUCHSやMOTULのVW適合品は品質が高くコストダウン可能。
  • 走行距離ベースで早めに交換
     → 劣化が進む前なら、1回の抜き替えで十分なリフレッシュ効果があります。

7速乾式DSGは、1回あたりの交換費用が比較的手頃なメンテナンスです。
“安いから後回し”ではなく、“安いうちに済ませる”のが鉄則。
オイルを良い状態に保つことで、メカトロの寿命を守り、結果的に大きな修理を防げます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 本当に7速DSG(DQ200)はオイル交換が必要ですか?

はい。ディーラーでは「メンテナンスフリー」と案内されることもありますが、
それは保証期間内(おおむね5万km程度)での使用を前提にした考え方です。
実際の整備現場では、5〜6万kmを超えたあたりからギア鳴きや変速ショックが増え、
オイル交換で改善するケースが多く見られます。
長く乗るつもりなら、4万km前後での定期交換が理想的です。

Q2. オイル交換だけでギアショックは直りますか?

軽度のショックなら改善する可能性が高いです。
油圧が安定し、ソレノイドの動作がスムーズになることで、
変速の「つながり」が自然に戻ります。
ただし、クラッチやメカトロ自体に摩耗・劣化がある場合は、
学習リセットや部品交換が必要になることもあります。

Q3. DIYでオイル交換はできますか?

構造的には可能ですが、専用工具と診断機が必要です。
オイル量の管理が1.7L前後とシビアで、注入ミスや締めすぎによる
アルミケース破損のリスクもあります。
費用が比較的安い整備項目なので、VW専門店での施工がおすすめです。

Q4. オイル交換後に変化を感じないのはなぜ?

もともと状態が良好な場合や、交換量が少なかった場合は体感しづらいことがあります。
ただし、内部の保護性能は確実に回復しているため、
“悪くならないようにする交換”と考えるのが正解です。
定期的に行うことで、劣化の蓄積を防ぎ、結果的に大きな修理を回避できます。

Q5. オイル交換後に学習リセットは必要ですか?

軽い抜き替え程度なら不要ですが、変速ショックが残る場合や、
メカトロを開けた整備後はリセットを推奨します。
VCDSなどを使って「クラッチ学習値の初期化」を行うと、
よりスムーズな変速に戻りやすくなります。

7速乾式DSGを長持ちさせるポイントまとめ

7速乾式DSG(DQ200)は、VWが誇る高効率トランスミッションです。
構造的にはシンプルでも、内部のメカトロニクスや油圧制御は非常に精密。
だからこそ、「オイル交換をしなくても走る」ではなく、
“きちんと整えることで長く走れる”構造だと考えるのが正解です。

ポイント①:4〜5万kmごとの交換を習慣に

メーカー公式では「交換不要」とされているものの、
実際の整備現場では4〜5万kmごとの交換が最もトラブルを防ぐ距離です。
油量が少ないぶん劣化も早く、金属粉が蓄積するとソレノイドや油圧ラインに悪影響を及ぼします。
定期的に抜き替えを行うだけでも、油圧の安定とシフトフィールの維持に大きく貢献します。

ポイント②:オイル量と締付トルクを正確に

オイルの入れすぎ・抜きすぎ、ドレンの締めすぎはどれもNGです。
少しの誤差が、圧損や泡立ち、ケース割れといったトラブルの原因になります。
DIY派の方は、トルクレンチを使い正確な管理を行うことが何より大切です。
不安があれば専門店に任せるのが確実です。

ポイント③:変速ショックや異音を見逃さない

「変速時にコツッとする」「バックがもたつく」などの小さな変化は、
オイル劣化やメカトロの初期不調を知らせるサインです。
早めにオイル交換を行えば、部品交換まで発展することを防げます。
DSGは故障が出てからでは費用が大きくなるため、早期発見・早期対応が鉄則です。

まとめ:DSGを“守るメンテナンス”を

乾式DSGの寿命は、オイル管理で大きく左右されます。
クラッチ交換やメカトロ修理に比べれば、オイル交換は安価で確実な予防策。
「交換しても違いがわからない」と思っても、
交換し続けている人ほどトラブルが少ないというのが現場の実感です。

走りのキレを保ち、安心して次の10万kmを目指すために——
7速DSGのオイル交換は、いわばクルマへの“延命点滴”です。
これを習慣にできれば、あなたのVWはきっと最後まで気持ちよく走り続けてくれるでしょう。

注意書き:
本記事は7速乾式DSG(DQ200)の構造・整備の一般解説です。
オイル交換は専用工具と知識を必要とするため、整備士またはVW専門店での実施を推奨します。

【DSG】VW専門店が7速乾式DSGのオイル交換をしていきます!

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