VW(フォルクスワーゲン)車を運転していて、アクセルを踏み込んだときに「ウィーン…」という音が気になったことはありませんか?
特に高速道路の合流や、信号待ちからの発進など、加速時にだけ聞こえてくる異音は、車のどこかに不具合があるサインかもしれません。
VW車は静粛性が高く、ドライバーにとって安心感のある乗り味が魅力ですが、異音がするとどうしても不安になりますよね。
この記事では、加速時の「ウィーン音」の主な原因と、修理費用の目安について、わかりやすく解説していきます。
異音診断の入口
加速時の「ウィーン音」とは?
「ウィーン音」と聞いて、次のような特徴に当てはまる方はいませんか?
このような音は、回転部品に関係する不具合や、ベルト類、ミッションなどが原因であることが多いです。
原因①:ファンベルトや補機ベルトの滑り
加速時の「ウィーン音」で最も多いのが、ファンベルト(補機ベルト)の劣化や緩みです。
VW車では、エンジンの動力を使ってオルタネーター(発電機)やパワステポンプ、エアコンコンプレッサーを回すために、ゴム製のベルトが使われています。このベルトが劣化や伸びによって滑ると、「ウィーン」といった高音の異音が発生します。
特に加速時はエンジンの回転数が上がるため、滑りが強くなって音が大きくなる傾向にあります。
修理費用の目安
- ファンベルト交換:5,000〜15,000円
原因②:オルタネーター(発電機)のベアリング劣化
オルタネーターは、車の電気をまかなう重要な部品です。内部には高速で回転するベアリングが入っており、これが劣化すると「ウィーン」「ゴロゴロ」といった音が出るようになります。
加速時はエンジンの回転が上がるため、オルタネーターも速く回り、異音が目立ちやすくなります。
修理費用の目安
- オルタネーター交換:30,000〜70,000円
(リビルト品使用で安くなる場合もあり)
原因③:ターボチャージャーの作動音
VW車の多くはターボ付きエンジン(TSIエンジンなど)を搭載しています。ターボチャージャーは、加速時に排気の力で羽を回転させ、空気をエンジンに送り込む装置です。
このターボの回転音が、正常でも「ウィーン」や「シューン」という音として聞こえることがあります。ただし、音が以前より大きくなったり、「金属がこすれるような音」や「風切り音」が混じるようなら注意が必要です。
修理費用の目安
- ターボチャージャー交換:100,000〜250,000円
※早期なら清掃やホース交換などで対応できることもあります(30,000〜60,000円前後)
原因④:DSG(デュアルクラッチ)トランスミッションの不具合
VW車の多くに採用されているDSG(デュアルクラッチ・トランスミッション)は、効率がよくスムーズな変速が魅力ですが、クラッチや制御部(メカトロニクス)の不具合により、「ウィーン」や「ジャダー(ガタガタ)」といった症状が出ることがあります。
特に加速時の変速のたびに異音がする場合は、DSG特有の不具合の可能性があるため、早めの点検をおすすめします。
修理費用の目安
- DSGクラッチ修理:100,000〜200,000円
- メカトロニクス交換:150,000〜250,000円
原因⑤:タイヤ・ホイール周辺の不具合
タイヤに異物が刺さっていたり、ホイールキャップやブレーキのシールドがゆるんでいる場合にも、走行中に回転音が響くことがあります。
この場合は音の種類が少し違い、「ウィーン」というより「ヒュンヒュン」「シャー」という音になることが多いですが、路面との摩擦で音が反響してウィーン音のように聞こえることもあります。
修理費用の目安
- タイヤ点検・異物除去:無料〜5,000円
- ホイール・ブレーキ部点検:5,000〜10,000円
原因⑥:エンジン内部の摩耗
長く乗っているVW車では、タイミングチェーンテンショナーやオイルポンプなど、エンジン内部の回転部品の摩耗が原因で、加速時に「ウィーン」や「カラカラ」音がすることもあります。
このような異音はエンジンオイルの状態や量にも影響されるため、オイル交換をサボりがちだった方は要注意です。
修理費用の目安
- テンショナー交換:50,000〜100,000円
- オイル管理改善:オイル交換 5,000〜10,000円
「ウィーン音」を放置しても大丈夫?
音が小さいうちは「気のせいかな?」と思ってしまいがちですが、加速時に異音がするのは何らかの異常の前触れであることが多いです。
特に以下のような変化があった場合は、すぐに点検を受けましょう。
VW車は高精度な部品を使っているため、早期発見・早期修理が結果的に出費を減らす近道になります。
だから選択肢は3つ
こんなとき、VWオーナーにできる現実的な選択肢は次の3つです。
① まずは診断・見積もり
輸入車に強い整備士が原因を特定し、必要最小限で提案。
② 高額修理の前に査定
整備履歴・社外パーツまでプラス査定の外車専門。
③ 修理費リスク回避の“定額で新車”
車検・税金・メンテ込の月額で故障ストレスから解放。
ワンポイント
「走れるから大丈夫」と思っても、実際はいつ爆発するか分からない爆弾を抱えている状態です。
早めに動くほど、費用もダメージも抑えられます。
点検・修理はVWに詳しい整備工場で
「ウィーン音」の原因はさまざまな可能性があるため、しっかりと診断できる専門知識が必要です。
VW車に慣れている整備士のいる以下のような工場で点検を受けるのが安心です。
修理費用の目安まとめ
音はクルマからのメッセージ
VW車が発する「ウィーン音」は、たとえ小さな音でも、放置すれば重大な故障につながる恐れがあります。
異音に気づいたら、なるべく早めに信頼できる整備工場で点検を受けて、原因を特定しましょう。
安全に、そして気持ちよくVWライフを楽しむためにも、愛車の声に耳を傾けることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 加速時のウィーン音は放置しても大丈夫?
A1. ベルト滑りのような軽度の原因もありますが、ターボやオルタネーター、DSGなど重大な部位が原因の場合もあります。音が大きくなっている・振動を伴う・加速が重いといった症状がある場合は、早めの点検が安心です。
Q2. ウィーン音がターボの正常作動音かどうか見分ける方法は?
A2. 正常なターボ音は「シューッ」「スーッ」といった軽い風切り音が中心です。金属的な音が混じる、以前より明らかに大きい、低速から強く聞こえる場合は異常の可能性があります。
Q3. 冬だけ・雨の日だけウィーン音が出るのは問題?
A3. ベルトの湿気による一時的な滑りで起こることがあります。ただし季節関係なく徐々に音が大きくなるなら、劣化が進んでいるサインです。点検を受けるタイミングと考えて良いでしょう。
Q4. ウィーン音がするのはエンジンが原因?ミッションが原因?
A4. アクセルを踏み込んだ瞬間から連続して鳴る場合はエンジン周辺(ベルト・ターボ・オルタネーター)。変速のタイミングで鳴る場合はDSGの可能性が高いです。ただし専門的な診断なしで断定するのは難しいです。
Q5. どこに修理を頼むのがベスト?
A5. ベルトやタイヤの異常なら一般工場でも対応できますが、ターボやDSGの診断はVWに慣れた整備士がいる工場が確実です。正規ディーラーかVW専門店、輸入車に強い認証整備工場が安心です。






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