街乗りで取り回しやすいボディに、アウトドアもこなす 4MOTION、そして VW らしい上質なインテリア。
「家族サービスと趣味の山道ドライブ、どちらも 1 台で行ける」──そんな“万能感”が Tiguan の魅力です。
輸入 SUV の中ではパーツが手に入りやすく、燃費もそこそこ。
けれど完璧ではなく「ここは弱点」というポイントがあるのも事実。
そこを知っておくと、修理代で青ざめるリスクをグッと下げられます。
Tiguan によくある“故障あるある”トップ5
「え、うちの子も…?」と思ったら、早めの対策がカギです。
見逃しがちな初期症状でも、実は“定番トラブル”かもしれません。
Tiguanオーナーなら知っておきたい故障パターンと対策を、ランキング形式でまとめました。
よくある故障と対策一覧
故障ポイント | 症状 | 原因 | 修理・対策 |
---|---|---|---|
1. DSGが“緊急モード”に落ちる | 高速走行中にギアが固定され、警告灯点灯。再始動で復帰するが再発。 | メカトロニクス(油圧制御ユニット)のトラブル ※DQ381型でも報告あり | メカトロ+クラッチ学習(40万円前後) 保証期間なら無償対応あり |
2. 冷却水が減る/甘いにおいがする | リザーバータンクがすぐ空に。駐車場にピンクのシミ。 | ウォーターポンプの軸ブレ/樹脂ハウジング割れ(電磁クラッチ付き) | ポンプ+サーモスタット一式交換(12〜18万円) |
3. タイミングチェーンが伸びる(初代5N系) | 始動直後にガラガラ音/エンジンチェック点灯 | テンショナーの弱さによるチェーンの伸び | チェーン一式交換(25〜35万円) 放置するとエンジン載せ替え |
4. PCVバルブ破損 → オイル噴き(R-Lineで増加中) | “ヒューヒュー”音、オイル漏れ、ブローバイ圧過多 | PCVバルブ膜の破れで圧力制御不能に | PCV+ガスケット交換 (DIY可/ECU学習が必要な場合も) |
5. サンルーフからの雨漏り | 天井の水染み、助手席フロアが湿る | ドレンホースの詰まり・破断 | ドレン清掃:1万円前後 ホース交換:8万円超 |
DSG が“緊急モード”に落ちる

「高速を走ってたら突然ギアが固定されて動かなくなった!」
そんなトラブル、実はTiguanではよくある“DSG緊急モード落ち”です。
どんな症状?
原因は?
主な原因はメカトロニクス(油圧制御ユニット)内部の基板トラブル。
Tiguanに採用されているDQ381型のDSGでも報告が多数あり、年式や走行距離に関係なく発生することもあります。
修理内容と費用
➡ 総額は40万円前後(部品代20〜30万円+工賃)が目安です。
※新車保証内や延長保証に加入していれば無償修理になる場合もあるので、ディーラーに確認を。
予防のコツ

このようなトラブルは突然起こるうえ、高額修理になりやすいため、日ごろのメンテナンスが重要です。
「もしかしてうちのTiguanも…?」と感じたら、早めの点検で安心を手に入れましょう。
冷却水が減る/甘いにおいがする

「リザーバータンクがすぐ空になる…」「駐車場にピンクのシミが!」
そんなときは、冷却系トラブルのサインかもしれません。
どんな症状?
原因は?
主な原因は、電磁クラッチ付きウォーターポンプの軸ブレや、
樹脂製のサーモスタットハウジングの割れです。
Tiguanではこの部分が弱点になりやすく、新しめの年式でも報告がある定番トラブルです。
修理内容と費用
※冷却水漏れは放置するとオーバーヒート→エンジン損傷に直結するため、早めの対処が肝心です。
予防のコツ
「甘いにおい」はクーラント漏れの典型的なサインです。
少しでも気になる症状があれば、重大な故障になる前に点検を。
タイミングチェーンが伸びる(初代 5N 系)
「エンジン始動直後にガラガラ音がする…」
そんな音が聞こえたら、それはタイミングチェーンの“伸び”のサインかもしれません。
どんな症状?
原因は?
主な原因は、チェーンテンショナーの油圧不足やバネの劣化。
テンショナーがうまくチェーンを張れなくなると、チェーンが伸びてカムとクランクのタイミングがズレることになります。
このまま放置すると、最悪の場合、ピストンとバルブが衝突し、エンジン載せ替えという大事に発展することもあります。
修理内容と費用
中古車の場合、すでに交換歴があるかどうかの確認が非常に重要です。
予防のコツ
エンジンの内部トラブルは、気づいたときには高額修理につながるケースが多いです。
特に初代5N系に乗っている方は、始動直後の音に耳を傾けておくことが大切です。
PCV バルブ破損 → オイル噴き(2024年式R-Lineで増加傾向)
「なんかヒューヒュー音がする…」「オイルのにじみがやたら多い…」
そんなときは、PCVバルブ(ブローバイ制御バルブ)の破損を疑ってください。
どんな症状?
原因は?
PCVバルブ内部の膜が破れ、エンジン内部のブローバイ圧が逃げなくなることが原因です。
その結果、カバーガスケットを破ってオイルが噴き出すというトラブルが発生します。
特に2024年式のR-Lineグレードでは、このトラブルの報告が急増しています。
修理内容と費用
ショップで依頼した場合の費用は、1万〜3万円台が目安です。
予防のコツ
PCVバルブは地味な部品ですが、破損するとエンジンまわりに大きなダメージを与えることがあります。
特に新しいモデルでも発生していることから、予防と早期発見がとても大切なポイントです。
サンルーフからの雨漏り
「助手席の足元が濡れてる?」「天井に水染み…?」
そんな症状が出たら、それはサンルーフの排水系トラブルかもしれません。
どんな症状?
原因は?
多くのケースで、サンルーフの排水ホース(ドレンホース)の詰まりや根元の破断が原因です。
特に日本のように花粉や砂ぼこりが多い環境では、ホースが詰まりやすく、水が車内に逆流します。
修理内容と費用
※湿気や水が電装系にまわると、別の故障につながるリスクもあるため、早期対応が望まれます。
予防のコツ
※金属製のワイヤーやエアブローは逆に破損の原因になるため要注意です。
サンルーフの雨漏りは、「まだ大丈夫」と思って放置すると内装や電装へのダメージが深刻になります。
定期的なチェックと軽メンテナンスで、高額修理になる前に防げるトラブルです。
世代別“気をつける場所”早わかりメモ
世代 | 年式目安 | 特に注意する部位 |
---|---|---|
初代 5N(2008‑2016) | EA888 1.4/2.0 TSI | チェーン伸び、ウォポン樹脂割れ |
2 代目 AD1(2017‑2020) | DQ500 7DCL、1.5 TSI | メカトロ冷却不足、アダプティブクルコン誤作動 |
後期 AD1(2021‑現行) | 48V マイルド HV 搭載車も | PCV バルブ、ACC レーダーカバー曇り |
日常点検を“習慣”にするコツ
“ながら点検”にすれば苦になりません。
長距離ドライブ前の“10 分クイック点検”
これだけで「道中レッカー」の確率は劇的に下がります。
修理費を抑える 3 つの知恵
“音”と“におい”をメモる
故障初期は症状が消えたり出たり。
動画やメモを残すと診断が早く、工賃も節約。
社外優良パーツを活用
ウォーターポンプやチェーンキットは OEM 品質の社外部品で 2〜3 割安。
専門店なら選択肢が豊富。
延長保証は“壊れる前”に
走行 5 万 km を超えると加入できないプランも。
早めの決断が吉。
信頼できる工場の見分け方
「安い」だけで選ぶと後で倍返し。
“説明が丁寧かどうか”を最重視しましょう。
付き合い上手は“ちょい足し習慣”から
Tiguan は国産 SUV より手がかかるかもしれません。
でも、
――この 3 ステップを“ちょい足し習慣”にすれば、大トラブルはほぼ防げます。
輸入車オーナーの醍醐味は「機械と会話しながら長く乗ること」。
小さな手間を惜しまない人ほど、Tiguan を“頼れる相棒”に育てています。
自分でできるメンテナンス(DIYガイド)
まずは安全第一。
作業は平坦で明るい場所、軍手・保護メガネを着用してください。
ジャッキアップを伴う作業は必ずウマ(リジットラック)を併用。
トルク値・適合部品は年式/グレードで異なるため、整備書で確認を。
重要なお願い(必ずお読みください)
基本的に、どのVWショップも「自店で販売・施工した商品や車両」に関するお問い合わせ以外にはお答えしていません。
ネット等でご自身で購入された商品の適合・取付方法・不具合の相談などは、業務を妨げる行為となりますのでお控えください。
また、DIYはご自身の判断と自己責任で、内容・リスクを理解できる範囲でのみ実施してください。
安全対策(保護具・支持具・絶縁等)や法令・交通安全に関わる項目はとくに注意が必要です。
1. 気軽にできるボディケア|洗車 & 鉄粉落とし
難易度:★☆☆
所要:30〜60分
工具/ケミカル:pH中性シャンプー、鉄粉除去剤、マイクロファイバー、ねんど/スケール除去(必要に応じて)
手順
- 予洗い(ホイール→下回り→ボディの順で砂を流す)。
- シャンプー2バケツ方式で洗う(スポンジは上面→側面→下部の順)。
- ボディが冷えているのを確認し、鉄粉除去剤を面ごとに散布→反応色が消えるまで待機→やさしく再洗い。
- 水切り→マイクロファイバーで拭き上げ。必要に応じて簡易コーティングで保護。
注意
おススメ!👉【鉄粉除去の決定版】GYEON Iron REDEFINEDでVWの塗装を守ろう!ブレーキダストを溶かして落とす!
2. キャリパー塗装(手軽にイメチェン)
難易度:★★☆
所要:半日〜
工具/ケミカル:ジャッキ/ウマ、ワイヤーブラシ、耐熱塗料(筆 or スプレー)、脱脂剤、マスキング
手順(筆塗り推奨)
- ジャッキアップ→ウマで支持→タイヤを外す。
- ブレーキ/センサー類は外さない。必要箇所をしっかりマスキング。
- ワイヤーブラシ&脱脂で下地を整える。
- 薄塗りを3回程度(規定乾燥時間を厳守)。
- 乾燥後にマスキングを外し、組み付け→規定トルクでホイール締付(トルクは整備書を参照)。
注意(超重要)
👉フォルクスワーゲン・アウディのキャリパー塗装施工事例【カラー別】
3. バッテリー交換(EFB/AGM対応)
難易度:★★☆
所要:30〜60分
工具:10mmレンチ、記憶保持電源(任意)、保護メガネ
ポイント:Golf 8はバッテリー監視(BMS)の学習値があり、交換後は初期化/登録が望ましい。
手順(概略)
- 電装OFF→キー離隔。必要ならOBDメモリーセーバー接続。
- マイナス→プラスの順で取り外し、固定金具を外す。
- 新品(容量/極性/サイズ適合)を載せ、プラス→マイナスの順で接続。
- 端子のガタを点検→固定金具を規定トルク。
- 可能なら診断機でBMSリセット/登録、時計や窓の初期化を実施。
注意
👉【VARTA】DIYできるVWのバッテリー交換【VWゴルフ7.5TDI】
4. エアコンフィルター交換(花粉/脱臭タイプ)
難易度:★☆☆
所要:15〜30分
工具:内装はがし/トルクス(車種差あり)
手順(一般的な右ハンドルVWの例)
- グローブボックス内のダンパー/ストッパーを外し、落下しないよう支える。
- 奥のフィルターカバーの爪を外して引き抜く。
- フィルターの流向(↑AIR FLOW)を確認し新旧入替。
- 逆手順で戻し、異音/風量を確認。
注意
5. サブコン(サブコンピュータ)取り付け
難易度:★★★
所要:1〜2時間
工具:内装はがし、タイラップ、配線保護
考え方:純正制御を尊重し、カプラーON型の信頼できる製品を選ぶ。配線取り回しと固定が品質。
手順(汎用)
- 取扱説明書のカプラー位置を確認(吸気圧/ブースト/燃料圧等)。
- エンジン冷間で作業、カプラーONで確実にロック。
- ハーネスは熱源/可動部から離して純正沿いに固定(タイラップ)。
- コントローラ本体は防水/防振を意識した位置へ。
- 試走→異常灯/ノッキング/サージ音の有無を確認。
注意
👉TDIチューニングのサブコンを社用車トゥーランに装着してみた!
6. ドライブレコーダー取り付け(前/前後)
難易度:★★☆(電源取りは慎重)
所要:1〜1.5時間
工具/用品:内装はがし、ヒューズ電源(Add-a-circuit)、ギボシ/圧着、テスター、内張り用テープ
手順(ACC電源方式の例)
- ルームミラー裏へ本体を上端から20%下・水平に貼り付け(ワイパー可動範囲内)。
- 天井内張り→Aピラー内へ配線。エアバッグ展開域を避けてテープで点止め。
- 助手席足元のヒューズBOXからACC/常時(必要なら)/アースを取得。
- 余長は束ね、異音/干渉がないよう固定。
- 画角→空30〜40%/道路60〜70%に調整し、SDを初期化。
注意
👉【前後ドラレコ取付解説】ユピテルのドライブレコーダーをゴルフ7に取り付ける
7. サービスリセット(インターバル表示の消去)
難易度:★☆☆
所要:5分
概要:オイル交換後などにメンテナンス表示をリセット。Golf 8ではメニュー操作または診断機での実施。
- 基本操作は車両メニュー→メンテナンス/サービスから。
- 表示が消えない/可変ロングライフ設定車は診断機で適正値を書き込み。
8. 困ったらプロに依頼
免責およびご案内
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、すべての車両・年式・グレードに適合することを保証しません。
作業は自己責任で行い、疑義がある場合は販売元または施工店にご相談ください。
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安全に不安がある場合、またはトルク値・コーディング・適合確認が必要な場合は、専門業者の点検/作業をご利用ください。
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