80〜100km/hあたりに達した瞬間だけ、車体全体が“ブルブル”と震える――。
VWでよく相談される症状で、低速では問題ないのに 特定の速度域だけ振動が発生する のが特徴です。
原因はホイールバランス・タイヤ偏摩耗・足回りのガタなど複数あり、放置すると高速での安定性が大きく低下します。
この記事では、80〜100km/hで車体が震える理由を、速度域ごとの特徴を交えつつ、構造別にわかりやすく解説します。
▼走行不良の診断ナビ▼
よくある症状
原因は大きく4つ(構造別)
- ホイールバランス不良(最頻出)
- タイヤの偏摩耗・製造不良
- 足回りブッシュ・ジョイントのガタ
- エンジン/ミッションマウントの劣化
原因①:ホイールバランス不良(最も多い原因)
どんな時に起きる?
- 80〜100km/hで震えがピークになる
- タイヤ交換直後に発生しやすい
- ハンドルだけでなく車体側も揺れる
なぜその症状が出る?
ホイールバランスが狂うと、回転するたびに“重さの偏り”が振動を生み、
一定の速度で共振してブルブル震える 現象が起きます。
VW・Audiはハブ径がシビアで、わずかなズレでも共振が大きく出やすい特徴があります。
放置するとどうなる?
原因②:タイヤの偏摩耗・製造不良
どんな時に起きる?
- 速度域で“上下の揺れ”が目立つ
- ゴトゴト感+ブルブル振動
- タイヤ新品でも症状が出る場合がある
なぜその症状が出る?
タイヤの偏摩耗(段減り・片減り・フラットスポット)は、回転するたびに微細な揺れを増幅し、
特定速度でブルブル振動がピークになる 特徴があります。
また、製造ロットによって以下のような初期不良があるケースも:
- 真円度(丸さ)の不足
- 内部ワイヤーの偏り
- ゴム硬度のムラ
これらは新品でもバランス調整では改善しないことがあります。
放置するとどうなる?
原因③:足回りブッシュ・ジョイントのガタ
どんな時に起きる?
- 小さな段差で“コトコト”音
- 速度を上げると細かい振動が増える
- 路面変化に敏感になった
なぜその症状が出る?
ロアアームブッシュやボールジョイントが劣化すると、
タイヤの接地角度が安定せず、振動が車体側に伝わりやすくなります。
- ブッシュのへたり → 共振しやすい
- ボールジョイントのガタ → ハンドルの微振動
特にVWのフロント周りはブッシュに負担が集中する構造のため、
80〜100km/hで不安定になりやすい 傾向があります。
放置するとどうなる?
原因④:エンジン/ミッションマウントの劣化
どんな時に起きる?
- 加速中より“定速走行中”が揺れやすい
- アイドリングや低速では問題なし
- 速度域でのみブルブルする
なぜその症状が出る?
マウントが劣化するとエンジン振動を吸収しきれなくなり、
車体にダイレクトに伝わることがあります。
通常、マウント系は低速で症状が出やすいですが、
80〜100km/hの定速走行で共振するケース も少なくありません。
放置するとどうなる?
選択肢は3つ
こんなとき、VWオーナーにできる現実的な選択肢は次の3つです。
① まずは診断・見積もり
輸入車に強い整備士が原因を特定し、必要最小限で提案。
② 高額修理の前に査定
整備履歴・社外パーツまでプラス査定の外車専門。
③ 修理費リスク回避の“定額で新車”
車検・税金・メンテ込の月額で故障ストレスから解放。
ワンポイント
「走れるから大丈夫」と思っても、実際はいつ爆発するか分からない爆弾を抱えている状態です。
早めに動くほど、費用もダメージも抑えられます。
DIYでできるチェック
危険度と走行可否
| 状態 | 危険度 | 走行可否 |
|---|---|---|
| 空気圧不足による振動 | 中 | 最寄りのスタンドまで可 |
| ホイールバランス不良 | 高 | 高速走行NG |
| タイヤの大きな段減り | 高 | 交換まで高速注意 |
| 足回りのガタ | 高 | 早急な点検が必要 |
修理費用の目安
| 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| ホイールバランス調整 | 2,000〜5,000円(1本) |
| タイヤ交換(4本) | 40,000〜100,000円 |
| アライメント調整 | 10,000〜20,000円 |
| ブッシュ交換 | 10,000〜30,000円 |
| マウント交換 | 15,000〜40,000円 |
👉VW専門店ナイルプラスのメンテナンス・カスタムの費用&作業日数まとめ
同時に点検しておきたい部位
- アライメント(トー・キャンバー)
- ロアアーム/ボールジョイント
- タイヤ偏摩耗
- エンジン・ミッションマウント
- スタビライザーリンク
▼足回り修理・メンテナンスについての個別ページ一覧▼
まとめ
80〜100km/hの特定速度域だけで車体が震えるのは、ホイールバランス不良、タイヤ偏摩耗、足回りのガタ、マウント劣化などが主な原因です。
VWは共振しやすい構造のため、少しのズレでも振動が大きく出ます。放置せず早めの点検が最も効果的です。
症状が似ていても原因は車両ごとに異なります。
同じような異音・不調でも、ターボ・ベルト・センサーなど原因はさまざまです。
不安な場合は無理せず整備工場で点検してもらうのが安心です。
車種別の不具合詳細
不具合の“出方”は似ていても、「どのモデルでどんなトラブルが多いか」は車種ごとに少しずつ違います。
車種別の傾向や、他のオーナーに多い故障事例は、以下のページでまとめています。



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