走っていると、ハンドルを真っすぐにしているのに車が右（左）へ寄っていく……。そんな症状が出ると「アライメントのズレ？」「タイヤの問題？」と悩んでしまいますよね。
VW車では、アライメント・タイヤ・足回りブッシュ・ハブベアリングなど複数の要素で“流れ”が起きることがあります。
軽度なら空気圧やタイヤ状態が原因ですが、放置すると偏摩耗や直進安定性の低下につながるケースも。
この記事では、左右どちらかに流れるときの原因と見分け方、DIYチェック、修理費用の目安をわかりやすく解説します。
よくある症状
原因は大きく4つ（構造別）
- アライメントのズレ（トー角・キャンバー角）
- タイヤの左右差（空気圧・偏摩耗・製品差）
- ロアアームブッシュの劣化（足回りの基準位置ズレ）
- ハブベアリングの摩耗（片側への引っ張り）
原因①：アライメントのズレ（最も怪しい）
どんな時に起きる？
- ハンドルセンターが微妙にズレる
- まっすぐ走りにくい
- タイヤが偏摩耗している
なぜその症状が出る？
アライメントは“タイヤの向き”を決める重要な値。
トー角・キャンバー角・キャスター角のいずれかがズレると、
左右どちらかへ引っ張られるように走るという症状が出ます。
VWは足回りが繊細で、わずか数mmのズレでも挙動に影響します。
放置するとどうなる？
原因②：タイヤの状態不良（空気圧差・偏摩耗・硬さ違い）
どんな時に起きる？
- タイヤの内減り／外減り
- わだちで強く取られる
- 片側だけ新品／片側だけ古いタイヤ
なぜその症状が出る？
タイヤは車の方向性に強く影響します。
- 空気圧が低い側へ流れる
- 偏摩耗したタイヤは路面の溝に沿いやすい
- 左右で銘柄や摩耗具合が違うとハンドリング差が出る
とくにVWは前輪荷重が大きいため、タイヤのクセがそのまま挙動に出ます。
放置するとどうなる？
原因③：ロアアームブッシュ劣化で基準位置がズレる
どんな時に起きる？
- 段差で「コトコト」「ギシギシ」
- わだちでより強く流れる
- ステアリングの初期反応が鈍い
なぜその症状が出る？
ロアアームブッシュが劣化すると、
アームの位置がずれ、直進時のタイヤ角度が安定しなくなる。
この結果、左右どちらかに寄りやすくなり、流れの原因になります。
放置するとどうなる？
原因④：ハブベアリング摩耗（片側に引っ張られる）
どんな時に起きる？
- 40〜80km/hで「ゴー」「ウォーン」
- カーブ方向で音が変わる
- 片側に寄る力が強い
なぜその症状が出る？
ベアリングはタイヤの軸。
摩耗すると回転がスムーズにいかず、
摩耗側が抵抗となって車がそちらへ流れる ことがあります。
放置するとどうなる？
選択肢は3つ
こんなとき、VWオーナーにできる現実的な選択肢は次の3つです。
① まずは診断・見積もり
輸入車に強い整備士が原因を特定し、必要最小限で提案。
② 高額修理の前に査定
整備履歴・社外パーツまでプラス査定の外車専門。
③ 修理費リスク回避の“定額で新車”
車検・税金・メンテ込の月額で故障ストレスから解放。
ワンポイント
「走れるから大丈夫」と思っても、実際はいつ爆発するか分からない爆弾を抱えている状態です。
早めに動くほど、費用もダメージも抑えられます。
DIYで確認できるポイント
※足回りのガタやベアリング判断はDIYが難しいため、無理は禁物。
走行して大丈夫？（緊急度）
- しばらく走行可能：軽度の空気圧差・タイヤの片減り
- 症状悪化のリスクあり：アライメントズレ・ロアアームブッシュ劣化
- 走行NG（レッカー推奨）：ハブベアリングの大きな異音／走行に支障が出るズレ
修理費用の目安
| 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| アライメント調整 | 10,000〜18,000円 |
| タイヤ交換（1台分） | 30,000〜80,000円 |
| ロアアームブッシュ交換 | 20,000〜45,000円 |
| ハブベアリング交換 | 25,000〜45,000円 |
| 空気圧調整 | 無料〜1,000円 |
| 診断料 | 5,000〜10,000円 |
※多くの場合、アライメント＋タイヤ状態の見直しで改善します。
👉VW専門店ナイルプラスのメンテナンス・カスタムの費用＆作業日数まとめ
同時に点検しておきたい関連部位
- タイロッドエンド
- ロアアームブッシュ
- ハブベアリング
- ショックアブソーバー
- スタビリンク
- アライメント角度（トー角・キャンバー角）
▼足回り修理・メンテナンスについての個別ページ一覧▼
まとめ
ハンドルが右（左）に流れる症状は、アライメントのズレとタイヤの状態が最も大きな原因。
そのほかロアアームブッシュやハブベアリングの劣化でも片側に寄る症状が出ます。
放置すると偏摩耗や直進不良が悪化するため、空気圧のチェックとアライメント測定を早めに行うことで、安全性も費用も守れます。
症状が似ていても原因は車両ごとに異なります。
同じような異音・不調でも、ターボ・ベルト・センサーなど原因はさまざまです。
不安な場合は無理せず整備工場で点検してもらうのが安心です。
車種別の不具合詳細
不具合の“出方”は似ていても、「どのモデルでどんなトラブルが多いか」は車種ごとに少しずつ違います。
車種別の傾向や、他のオーナーに多い故障事例は、以下のページでまとめています。
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