「冷却水が減る」「駐車場にポタッと跡がある」「走行中にゴロゴロ音がする」
これ、フォルクスワーゲンで非常に多い ウォーターポンプ(サーモハウジング一体型) のトラブルの典型例です。
VWのウォーターポンプは経年劣化しやすく、3〜6年・5〜10万kmあたりで水漏れや異音が出ることが多い と言われています。
放置するとオーバーヒートにつながり、
最悪エンジン本体まで損傷して 修理費が数十万円規模 に跳ね上がることも。
そこでこの記事では、
を、わかりやすく解説します。
| 作業内容 | 費用目安(税込) |
|---|---|
| ウォーターポンプ部品代 | 6,000〜15,000円 |
| 工賃(冷却水補充・エア抜き含む) | 15,000〜30,000円 |
| 合計(単体作業時) | 約2万〜4.5万円程度 |
| タイミングベルトと同時交換 | 合計8万〜15万円(セット工賃) |
ウォーターポンプとは?|VWで壊れやすい理由

ウォーターポンプは、エンジンの冷却水(LLC)を循環させるためのポンプです。
ウォーターポンプは、エンジンを冷やすための 冷却水(クーラント) を循環させる重要な部品です。
冷却水はラジエーター → エンジン → またラジエーターへと流れ、熱を逃がす役割をしています。
この「流れ」を作っているのがウォーターポンプです。
フォルクスワーゲンの場合、多くのモデルで
ウォーターポンプとサーモスタット(サーモハウジング)が一体構造 になっています。
そしてこのハウジング部分が 樹脂製 のため、
といったトラブルが起こりやすい傾向があります。
特にEA111・EA211・EA888系エンジンでは「持病」と言われるくらい発生しやすく、
5〜10万kmあたりで交換した」というオーナーが非常に多いです。
交換が必要な“よくある症状”
ウォーターポンプは、壊れ始めるといくつかの前兆が出ます。
「これ、まさか…?」と思ったら、早めにチェックするのがおすすめです。
● 冷却水が減る(補充してもすぐ減る)
最も多い症状です。
リザーバータンクの液面が徐々に下がり、気づけば MINより下 になっている…というケース。
水漏れポイントは以下のとおり:
冷却水が減る=どこかで漏れているサインです。
● 駐車場に赤いシミ(冷却水漏れ)
フォルクスワーゲン純正のG13冷却水は“赤”や“ピンク”です。
駐車スペースに 赤い点々や水たまり がある場合は、ほぼ冷却水の漏れが確定します。
水漏れ量が増えると、
などのトラブルを起こします。
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● アイドリングで「ゴロゴロ」「キュルキュル」音が出る
内部のインペラー(羽)が摩耗し、軸がガタつくと 異音 が出ます。
といった音が、エンジンの回転に合わせて発生するのが特徴です。
● 冷却水のニオイがする
漏れた冷却水が熱で蒸発し、甘いような独特のニオイがすることがあります。
特に暖房使用時・停車後に感じやすいです。
● 水温計が上がりやすい・警告灯が点いた
サーモスタットの動きが悪くなると、
などの現象が出ます。
水温警告灯が点いたら、危険サインです。
VWに多い故障ポイント(実例)
フォルクスワーゲンのウォーターポンプは、構造上どうしても弱点があります。
● サーモハウジングのパッキン劣化
熱による収縮でパッキンが硬化し、合わせ面から滲み・漏れが始まります。
● 樹脂ハウジングのひび割れ
樹脂が経年で脆くなり、細かい亀裂が入ることがあります。
● インペラーの摩耗・ガタ
金属と樹脂の組み合わせのため、内部の羽が劣化すると振動しやすくなり異音の原因に。
● 電子サーモの不具合
電子制御サーモが固着し、
といった挙動を引き起こすことがあります。
劣化したらどうなる?放置は危険?
ウォーターポンプは「まだ走れる」状態でも、実はかなり危険です。
放置すると…
● 冷却水が一気に漏れてオーバーヒート
特に渋滞や上り坂で起こりやすいです。
● エンジン内部に深刻なダメージ
以下の重故障につながることがあります。
こうなると修理費は 70万〜100万円級。
数万円で済むトラブルが、一気に高額修理へ跳ね上がります。
だから選択肢は3つ
こんなとき、VWオーナーにできる現実的な選択肢は次の3つです。
① まずは診断・見積もり
輸入車に強い整備士が原因を特定し、必要最小限で提案。
② 高額修理の前に査定
整備履歴・社外パーツまでプラス査定の外車専門。
③ 修理費リスク回避の“定額で新車”
車検・税金・メンテ込の月額で故障ストレスから解放。
ワンポイント
「走れるから大丈夫」と思っても、実際はいつ爆発するか分からない爆弾を抱えている状態です。
早めに動くほど、費用もダメージも抑えられます。
ウォーターポンプ交換のタイミングは?

VW車での一般的な交換目安
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 約8万〜10万km | 標準的な寿命 |
| タイミングベルト交換時 | 同時交換が推奨される |
| 異音や水漏れが出たとき | 早めの対応が必要 |
VWの多くのモデルでは、タイミングベルト交換と同時にウォーターポンプを交換するのが定番です。
→ 同時に交換することで工賃が節約でき、手間も減らせます。
ウォーターポンプ交換の費用は?


費用は車種やエンジン構造によって差がありますが、目安は以下の通りです。
| 作業内容 | 費用目安(税込) |
|---|---|
| ウォーターポンプ部品代 | 6,000〜15,000円 |
| 工賃(冷却水補充・エア抜き含む) | 15,000〜30,000円 |
| 合計(単体作業時) | 約2万〜4.5万円程度 |
| タイミングベルトと同時交換 | 合計8万〜15万円(セット工賃) |
※ターボ車や4WDモデルなど、整備性の悪い車種は工賃が高くなる傾向があります。
※社外品(OEM)を使えば部品代を抑えることも可能です。
👉VW専門店ナイルプラスのメンテナンス・カスタムの費用&作業日数まとめ
ウォーターポンプを交換することで得られる効果
① エンジンの冷却性能が回復
冷却水の流れがスムーズになり、夏場や渋滞時でも安定した水温をキープできるようになります。
特に高速道路を走る方・坂道の多い地域では安心感が違います。
② オーバーヒートの予防
ポンプの異常が原因で冷却水が回らないと、最悪エンジンブローにつながる可能性も。
事前の予防交換で高額修理リスクを回避できます。
③ タイミングベルトとの同時交換で経済的
別々に作業すると工賃が倍になりますが、同時に交換すれば約1回分の工賃で済むため経済的です。
交換はどこでやるべき?
ディーラーでの交換
VW対応の整備工場・専門店
よくある質問(FAQ)
Q. 交換時期の目安は?
症状が出たら“即”が基本です。
定期交換のような決まりはありません。
Q. 応急処置はありますか?
ありません。
漏れたら補充しながら走るしかありませんが、危険です。
Q. DIYで交換できますか?
難易度は高めです。
エア抜きが不十分だとオーバーヒートします。
Q. リビルトはありますか?
ウォーターポンプは基本的に 新品交換のみ です。
ウォーターポンプ交換は“熱トラブル”を防ぐ最重要メンテナンス
車種別の不具合詳細
不具合の“出方”は似ていても、「どのモデルでどんなトラブルが多いか」は車種ごとに少しずつ違います。
車種別の傾向や、他のオーナーに多い故障事例は、以下のページでまとめています。




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